~神隠し~
何の前触れもなく、それは突然消え去る。
いかなる手がかりも残さず、失踪者の行方を知る術はない。
神隠しに遭った少女——深羽。
彼女は、すでに水に半分沈んだ古い建築物の中で目を覚ました。
目を覚ました深羽は、自分が和風の木造建築にある水溜まりの中にいることに気づく。状況を把握しようとしたその時、周囲に無数の水籠の女(怨霊)が現れた。
深羽は背後に扉があるのを見つけ、そこから逃げ出すことを決めた。
目を覚ました雛咲深羽
怨霊(水籠の女)
扉を開けると、そこは長い廊下の突き当たりだった。分かれ道まで走ると、片方の奥から光が差し込んでいるのに気づく。
深羽はそこから脱出できるかもしれないと感じたが、背後からは怨霊が迫っていた……。
光が差し込む廊下の突き当たりの扉
深羽は光のある方へ必死に走った。突き当たりには扉があったが、霊感の強い深羽は、その扉に触れた瞬間、強烈な怨念を感知する……。
そのため、彼女は引き返し、分かれ道のもう一方へと逃げた。
扉から伝わる強烈な怨念
走る途中で、深羽は凄まじいプレッシャーを感じた……。前方から強力な怨霊が近づいてくる。それは、黒い衣装を纏い、頭に黒い百合を戴いた女の幽霊(黒澤逢世)だった……。
深羽は仕方がなく、先ほど開けるのを躊躇った部屋へと逃げ戻った。
迫り来る強力な怨霊:黒衣の老婆
扉を開けると、その部屋の床一面には水が張られており、中央には人が隠れられるほどの大きさの木箱(柩籠)が置かれていた。
中央に置かれた隠れるための木箱
深羽がゆっくりと木箱に近づくと、突然木箱がひとりでに開いた……。中から大量の黒髪が飛び出して深羽を縛り上げ……、さらに中から髪の長い女の幽霊が飛び出し、深羽に向かって迫ってきた……。
木箱から現れた髪の長い女の幽霊
雛咲深羽はこうして消息を絶った……。
彼女の声は山頂の神社に封じ込められ、二度と誰の耳に届くこともなかった……。
これは一つの山を舞台に、夕莉、蓮、そして深羽の三人によって紡がれる怪異幻想譚である。