序之雫:水籠

序ノ雫

—— 水籠 ——

~神隠し~

何の前触れもなく、それは突然消え去る。
いかなる手がかりも残さず、失踪者の行方を知る術はない。

神隠しに遭った少女——深羽
彼女は、すでに水に半分沈んだ古い建築物の中で目を覚ました。

目を覚ました深羽は、自分が和風の木造建築にある水溜まりの中にいることに気づく。状況を把握しようとしたその時、周囲に無数の水籠の女(怨霊)が現れた。

深羽は背後に扉があるのを見つけ、そこから逃げ出すことを決めた。

醒來的雛咲深羽 目を覚ました雛咲深羽
女子怨靈 怨霊(水籠の女)
♦ ♦ ♦

扉を開けると、そこは長い廊下の突き当たりだった。分かれ道まで走ると、片方の奥から光が差し込んでいるのに気づく。

深羽はそこから脱出できるかもしれないと感じたが、背後からは怨霊が迫っていた……。

長廊盡頭有光線的門 光が差し込む廊下の突き当たりの扉

深羽は光のある方へ必死に走った。突き当たりには扉があったが、霊感の強い深羽は、その扉に触れた瞬間、強烈な怨念を感知する……。

そのため、彼女は引き返し、分かれ道のもう一方へと逃げた。

門上傳來強大的怨念 扉から伝わる強烈な怨念

走る途中で、深羽は凄まじいプレッシャーを感じた……。前方から強力な怨霊が近づいてくる。それは、黒い衣装を纏い、頭に黒い百合を戴いた女の幽霊(黒澤逢世)だった……。

深羽は仕方がなく、先ほど開けるのを躊躇った部屋へと逃げ戻った。

強大的怨靈逼近:黑袍女鬼 迫り来る強力な怨霊:黒衣の老婆

扉を開けると、その部屋の床一面には水が張られており、中央には人が隠れられるほどの大きさの木箱(柩籠)が置かれていた。

中間放著可以躲藏的木箱 中央に置かれた隠れるための木箱

深羽がゆっくりと木箱に近づくと、突然木箱がひとりでに開いた……。中から大量の黒髪が飛び出して深羽を縛り上げ……、さらに中から髪の長い女の幽霊が飛び出し、深羽に向かって迫ってきた……。

從木箱中出現的長髮女鬼 木箱から現れた髪の長い女の幽霊

雛咲深羽はこうして消息を絶った……。
彼女の声は山頂の神社に封じ込められ、二度と誰の耳に届くこともなかった……。

これは一つの山を舞台に、夕莉、そして深羽の三人によって紡がれる怪異幻想譚である。

結び

かつて神隠しに遭った少女——深羽
水に浸かった家の中で目を覚ます。

彼女は出口を探そうとし、やがて大きな箱が置かれた部屋へと辿り着く。
箱の蓋を開けた瞬間、この世のものではない「何か」が飛び出した。

彼女の悲鳴は誰の耳にも届かず、そのまま霧の中へと消え去った。